「お前なんか嫌いや…お前なんて……来んなっ!」
柴神は怒るどころか泣いており、校舎内へと走って行ってしまった。
その一部始終を見てた野神が柴神を追いかける俺の腕を掴んで首を振る。
「そっとしといてあげてくれ。ちょっと時間をくれないか?これからの為に話しておく必要がある。」
「これからの為?まぁ、いいや。」
「んじゃ、ついてきてくれ。こっちで話そう。」
俺は野神に連れられて静まり返った部室裏へ移動した。
「これから話す事は私とキミだけの秘密にしといてくれ。実はあいつ…優しくされると惚れてしまう性質なんだ。」
「何ぃっっっ!おい!ふざけんなよ!?てか、そういう性質って事はストーカーチックになるって事か?ストーカーなら間に合ってる!間に合ってるからこれ以上悩みの種を植え付けないでくれ~!」
怒らす為にやった行為が自殺行為に値するとは夢にも思わなかった。
この危機をどう乗り切るかが正念場だ。
「おい!最後まで聞いてくれ!」
「野神、お前の友達を思う気持ちはよく分かる。だが、俺には心に決めた奴が居ると思うんだ。まだ会ってないだけでどこかで俺を待ってる。すまないが、無かったことにしてくれ。」