「…きてくだ…!あの…起きてくださいっ!」
誰かの声で目を覚ました。
「もう、夕方か…。お前は?」
目を覚ますと、白黒の世界が広がってる。
白黒なのに夕方と分かったのは何故だろう。
「うわっ!失礼な人!あなたは悪魔の化身ですねっ!」
「どっちが失礼か言ってみろっ!てか、この学校の生徒みたいだが、何年だ。」
「一年生になったばかりですっ!」
そばにあった木から顔だけ出して答えるこいつは何なんだ。
「それより、来てほしい所があるのできてもらえませんかっ!」
「行ってやるから語尾を強めて話すのは辞めてくれ。」

それから警戒心の強い女の子に連れられて校内を歩きまくる。
一定の距離を開けて歩くこいつはまるで天敵の様子をうかがう小動物みたいだった。
「おい!まだなのか?」
俺が喋る度にビクッと体を震わせ、更に距離を開ける。
「まだですっ!」
ため息をつき、校舎を目指して歩き続けた。
「こんなに広かったっけ?」
いくら歩いても校舎との距離が縮まらない。
それに周りには異様な空気が漂ってた。