俺の前はコウで横は宮元。
窓際って冬は暖かくていいけど、夏は最悪だ。
その上、真ん中は異性に挟まれて座る両手に花形なのに窓際は右手のみ、廊下側は左手のみとなってる。
俺の席はつまんない席と言えるな。
前はうるさく、横は真面目。
授業終了のチャイムが待ち遠しく思った。

外を眺めて40分が過ぎ、あと10分耐えれば休み時間だという頃、後ろの席に人の気配を感じた。
「ん?」
振り返って見てみると、汗だくになったハルが息をきらして座ってる。
「お前も同じクラスだったのか…てか、どうした?顔色悪いぞ?」
「…妹が病院から抜け出したから探してた。」
やっぱりそうか。
朝、出くわした不気味な少女はハルの妹だったんだ。
「俺、見たぞ。お前の妹。」
「…どこで!?」
ハルの慌てようは尋常じゃない。
話してる内に終了のチャイムがなった。
「コウ、お前も来い。ハル、こっちだ!」
「あっ!待てー!授業はまだ終わっとらんぞー!」
慌てて飛び出す俺達には教師の声など届かなかった。