クマバチの大群から逃れる為、目の前にあった部屋へ逃げ込み、鍵をかけた。
わずかなドアの隙間からクマバチ達の黄色と黒のユニフォームが猛スピードで通り過ぎてく。
「助かったぁ~。」
安堵の表情を浮かべ、座ろうとしたまさにその時、真っ暗な部屋から笑い声が聞こえてきた。
「くくくっ…くくくくくくっ…」
慌てて見渡したが、誰も居ない。
「だ、誰か居るのか?」
部屋の中は物置と化していて、首の無い人体模型や、両手両足が折れた骸骨の模型。
その中で最も不気味だったのが、髭の生えたお雛様だ。
何で女なのに髭が生えてるのか、何で雛人形がここにあるのか全く見当がつかない。
その間もずっと不気味な笑い声は続いてる。
「気持ち悪い事するなよ。何処だ?」
「くくくくくくっ…こっち。」
変な問いかけは止めよう。
返事してくれるのは有り難いが、恐怖心が一気に上昇してしまう。
マジでこの学校は何なんだ。
久しぶりに登校すれば危ない奴としか遭遇できない。
最悪な一日になりそうだ。