停学五日目。
今日もまだ熱が引かないコウとハル。
あいつらが居ないとする事がない。
散歩に行けば無駄な争いをしなきゃなんないし、家に居てもやる事がねぇ。
途方にくれた俺は何気なく窓の外を見る。
「んなっ!?」
マジでビビった。
向かいの家とその隣の家の間で双眼鏡を向ける怪しい女の姿が。
「マジかよ…ビビらしやがって!」
枕元に置いてる木刀を片手に家を飛び出した。
「天誅ぅぅぅ!」
女へ駆け寄り双眼鏡を打ち落とす。
「あら?奇遇ね。」
「奇遇じゃねぇ!…ここはマズいな…ちょっと来いっ!」
近所に知られるわけにはいかなかった事もあって仕方なく俺の部屋へ。
「何をする気なのかな?フフフッ。」
「フフフッじゃねぇ!離れろっ!あそこで何してた?」
「木刀退けてくれたら話してあげる。」
イライラを抑えて突きつけた木刀をおろす。
「私、あなたが好きになったの。だから覗いてた。」
「ふざけんなよ!今度見つけたら女だろうが関係なしでぶっ飛ばすぞ。」
「元気な男って素敵ね。」

薬でもやってるのかと思うほど噛み合わず、貴重な一日を説教で台無しにしてしまった。