「おいおい、大丈夫か?」
背中を支えてやるぐらいの優しさは兼ね備えていたらしい。
誰かの為に喧嘩をしたのは初めてだったがな。
「一緒に居てやるからちょっと休め。それから帰ればいい。」
「すみません。…ありがとうございます。」
犬がたかるのも無理はない。
ものスゴい美人だったから。
俺は美人だからといって尻尾を振ったりはしない。
いつ尻尾を掴まれるか分かんないからな。
「あっ!こらぁ~!!」
甲高い怒鳴り声が聞こえきた。
振り向きざまにピンクのパンツが見え、その直後、顔面に凄まじい威力の蹴りが打ち込まれた。
「ふんがぁ~!」
言葉にならない雄叫びをあげ、抵抗する隙もなく置いてあったゴミ袋の山に突っ込んだ。
「ちょっと!お姉ちゃん!」
「静香はここに居て。ちょっと、あんた。私の妹に何か用かしら。」
「何も…してねぇよ…てか、顔踏むな…。」
俺は蹴り飛ばされた挙げ句、こめかみをグリグリされた。
しかも、靴の裏で!