コウとハルが走り去った後、俺は近く公園で女の話を聞いていた。
「お前は何がしたいんだ?あんなに引っ付きやがって。あれでは幽霊と思われても仕方ないだろうが。」
「私は…男の人が苦手なの。自殺を考えたのも酷いイジメを受けたから…。」
話が噛み合ってない。
「俺だって男なんだけど。」
「あなたは懐かしい感じがしたから恐くなかったわ。」
イジメられる奴は、でしゃばる奴か気持ち悪い特徴をもってる奴か弱いのに反抗的な奴が過半数を占めてる。
でも、こいつはでしゃばるでも反抗的でもない。
顔は可愛いし、大人しくてよく笑いかけてくる所もある。
もし、イジメられる要素があるとしたら意味不明の行動だろうな。
「懐かしい?お前と会った事ないぞ。」
「フフフッ…でしょうね。私が一方的に好きだった人に似てたからなのかも。」
その言葉を聞いた瞬間、背筋に鳥肌がたった。
「告ったのか?」
からかうように聞いたつもりが思わぬ方向へ進んでいった。