「そうだよな、幽霊なんか居るわけがねぇんだ。…帰るぞ。」
「何処に?」
「あそこに決まってんだろ。」
廃校を指差して泣きじゃくる女の手をひいてこいつの居た教室へ戻った。
邪魔くさいはずなのになんか嫌な気はしなかったなぁ。

「落ち着いたか?」
「うん…ごめんなさい。脅かしちゃって。」
「あぁ、いや、気にしなくていい。俺こそ言い方キツくて悪かったな。そんで?ここで何してたんだ?」
無言で指差す先にはどっからどうみても自殺する気満々のぶっといヒモがワッカ状になって吊されてる。
「クソ女だったとはな。死にたいなら勝手に死にな。でも、死んだら気持ち悪い奴と一生一緒なんだ。もう、死んでっから死んで逃げることも出来ないし、走っても飛んでも何処までも付いてくるんだ。俺なら嫌でも生き抜いて気持ち悪い奴がいない天国へ逝くけどな。今の若い奴は夢ばかりみて現実を受け止められない奴が多い。バカな奴は仏教徒でもないくせに輪廻転生だけを信じて死にやがる。そんな無駄な生き方しか出来ない奴は永遠に苦しめばいい。んじゃ、後は勝手にしな。」