後の事はキョンさんに任せ、先に家へ帰った。
静まり返った家はまるで俺の心を映した鏡のようだった。
ますますクリスマスが嫌になる。

翌日、再び病院へ向かった。
着替えと婆ちゃんの好物のリンゴを持って。
バスを待つ時間、病院に着くまでの時間はどんなに短くても気持ちを重たくさせる。
考えれば考えるほど、マイナスに動き最悪の事態を想像させてしまう。
病室の前で入るのを躊躇(ためら)わせるほどに。
ドアの前で立ってると、オッサンが現れた。
「おっ!来たか。しばらく来ないと思ってた。」
「オッサンやキョンさんに迷惑ばかりかけちまってるから…。」
「迷惑かけたと思うなら俺らを信用して恩返ししろ。そんな気の抜けたアホ面下げて来やがって。いつもの図々しさはどこにやった?ガキならガキらしく何も気にせず生きろや。今日は悪い話をしなきゃならねぇからいいとして明日からは元気な所をババアにみせてやれ!クレイジーボーイの本領発揮だっ!…まぁ、座れや。」