「そうだとえぇ~が、おみゃ~のよ~なガキんちょん残して死んじまったら死んでも死にきれなぁ~よ。もう少ししっかりしてほしぃ~もんだぁ。あたしゃ~きっとここで死んじまう。んまぁ~、じぃ~さんが待っとるけぇ寂しくはなぁ~がね。」
自分でも分かってるのだろうか。
人生の終点が近い事を。
「そんな縁起でもない事言うなよ。爺ちゃんがみえた訳でもないのに勝手に決めるなよ。」
その言葉に婆ちゃんの目が大きく開いた。
「それがなぁ~、昨日、話をしたんだぁ~。突然現れてぇ~疲れたじゃろ?もうすぐ迎えに行くとなぁ~。」
聞きたくない。
いくらうるさくて鬱陶しいと思っても家族なんだ。
たった一人しかいない家族なんだ。
その死を受け入れる準備をしろと言われても出来るはずがない。
我慢仕切れなくなった目から大粒の涙が溢れ出す。