「キャアアア~!」
目の前で叫ぶ女は俺の悲鳴にビックリしたようだ。
悲しそうな表情で俺にしがみついてる。
「酷い目にあったのか。俺には分からないが、まずは落ち着け。落ち着いたら手を放してくれ。走りたい気分なんだ。」
「嫌よ!せっかく捕まえたんだからっ!」
大抵、涙を流す幽霊の話は逆上して人を殺してしまうパターンが多い。
助けを呼びたいがコウは遥か彼方へ消え、この周辺を通る物好きはどこにもいなかった。
一分一秒が長く感じる時にある事を思い出した。
「触れられっかな?」
恐る恐る両手で彼女を抱き締めた。
「触れられる…スゲ~……あれ?足跡?」
感動と共に我に返り、頭を働かせる。
椅子の上、足音に足跡…話せるし、触れる…。
「なぁ、お前って幽霊じゃないのか?」
「何言ってんのよ!幽霊なら空飛んで捕まえるわっ!」
「確かに…って……なんだよっ!ちょっと離れろっ!」
安心したら無性に腹が立ち、しがみつく女を引き離した。
こいつの涙と鼻水とよだれによって描かれた服を見るとまさに涙を流す幽霊そのものだった。
目の前で叫ぶ女は俺の悲鳴にビックリしたようだ。
悲しそうな表情で俺にしがみついてる。
「酷い目にあったのか。俺には分からないが、まずは落ち着け。落ち着いたら手を放してくれ。走りたい気分なんだ。」
「嫌よ!せっかく捕まえたんだからっ!」
大抵、涙を流す幽霊の話は逆上して人を殺してしまうパターンが多い。
助けを呼びたいがコウは遥か彼方へ消え、この周辺を通る物好きはどこにもいなかった。
一分一秒が長く感じる時にある事を思い出した。
「触れられっかな?」
恐る恐る両手で彼女を抱き締めた。
「触れられる…スゲ~……あれ?足跡?」
感動と共に我に返り、頭を働かせる。
椅子の上、足音に足跡…話せるし、触れる…。
「なぁ、お前って幽霊じゃないのか?」
「何言ってんのよ!幽霊なら空飛んで捕まえるわっ!」
「確かに…って……なんだよっ!ちょっと離れろっ!」
安心したら無性に腹が立ち、しがみつく女を引き離した。
こいつの涙と鼻水とよだれによって描かれた服を見るとまさに涙を流す幽霊そのものだった。



