距離をとってたはずなのに、気付かれてたみたいだ。
「そう言う事するのが趣味だったのか?」
「俺はストーカーじゃねぇよ。一人で何処行くんだ?」
「お前には関係ないだろ。」
「女が一人で出歩いて危ないだろうが。」
「フフッ。心配してくれてたのか。邪険にしてすまない。ちょっと夜風にあたりに出ただけだ。」
「んじゃ俺は中に戻ってるな。」
「せっかくだからあそこに座って話をしないか?」
「おう。」
真剣な表情で大きな岩に腰をかける絵里香は何を考えてるのだろうか。
「なんか悩みでもあるのか?」
「悩みなのだろうか…自分では分からない。」
「悩んでるなら悩みだろ。」
少しためらい、ゆっくり話し始めた。
「私は今まで女として見られてこなかった。喧嘩ばかりしてたから当然なのかもしれない。こんな私に好意をもたれたら相手は嫌がるのだろうか?」
他人からすればちっぽけな事でもその人の中では大きな問題なんだ。