翌朝、鉄を叩く音で目を覚ました。
「朝だぁ~。朝が来たぞ~。」
寝起き丸出しのオッサンがヤカンをオタマで叩いてる。
「もう少し静かに起こしてくれ。」
「それは無理だ。ヤカンで起こせと言われたからな。」
「誰にだ。」
疑問を残しつつ朝飯を食べた。
「市原君、これもどうぞ。」
「あっ、どうも。」
夕べは何事も無かったかのように振る舞ってるキョンさんだが、昨日はヒヤヒヤしたことだろう。
「キョン、このソーセージ硬いぞ。」
「この袋を切らないと。」
オッサンはオッサンで寝ぼける程、爆睡したんだろうか。

その後、暗くなるまで川遊びを満喫した。
もちろん昼飯は昨日釣った魚だ。

夜飯を食い終わると、絵里香がフラフラと別荘を出て行った。
「こんな時間にどこへ行くつもりだ。」
喧嘩が強いと言っても女には違いない。
マムシや野犬に襲われたら大変だ。
重い腰をあげ、距離をとって後をつけた。