紗耶香を引っ張り上げると、懐中電灯を渡してオッサンの元へ滑り降りた。
「何で降りてくるんだぁ。お前など呼んでねぇ~。」
「そんな事言うなら置いて帰るぞ。」
「分かった!俺の負けだ。どうにでもしやがれ!」
「どうにもしねぇよっ!ほら、こうやれば上がれるんじゃねぇか?」
地面に散らばってる石で石灰岩に傷を付け、それを滑り止めに登れば上がれると思ったんだ。
プラスと出るかマイナスと出るかは試してみないと分からない。
石を片手に慎重に登った。
「おぉ!滑らねぇ!」
上がるコツを掴んだ俺は登りやすいように岩を削りオッサンを救出した。
その後、ゲテモノロードをダッシュで突破し、洞窟をあとにした。
「今回は礼を言う。助かったぜ。」
「もう二度と山には入らないでくれよな。」
「それは出来ないがな。」
いろいろあってどうなるか不安だったが、誰も怪我をせずに済んで良かった。