看板から奥へ進むとあちらこちらに地割れが起きていた。
ほとんどが小さいものだが、大人がスッポリ入っちまうような大きい割れ目もある。
こんな所に落ちてたら重傷で済まないだろう。
「オッサーンっ!」
どの割れ目も返事がない。
不安げな紗耶香を引き連れて頂上付近まで登った。

山は険しさを増していく中、懐中電灯があるものを照らし出した。
「もしかしたらここで助けを待ってるかもしれない。お前は先に帰っとくか?」
「嫌よ!一人で帰れる訳ないじゃない!」
「んじゃ、一緒に行くか。」
目の前にいきなり現れた洞窟へと入って行った。
中は小さな地割れがちらほらあるだけだが、一歩一歩慎重に進む。
しかし、慎重過ぎるのもまずかった。
「ねぇ、さっきから天井が動いてる感じしない?」
「そんなもんでビビるかよ。」
そう言いながら何気なく天井を照らしてみると、目を疑う光景が広がってた。