川に入って2時間が経過した。
オッサンは30分ぐらいで飽きたらしく、別荘裏の山へ行くと言ってモリを持ったまま行ってしまった。
残された俺と山崎は震える手でモリを構え、一心不乱に魚を追いかけた。
夏とは言え川の水はかなり冷たい。
冷えた体をバスタオルでくるみ、別荘へ帰った。

「お帰りなさい。あれ?…お父さんは一緒じゃなかったんですか?」
「オッサンなら裏山に行くって言って結構前に別れたぞ。帰ってきてないのか?」
静香は不安げな表情を浮かべる。
「そんなに心配する事はないだろ。」
「いや…実は…」

別荘にキョンさんと静香を残し、残りの奴ら全員で裏山を捜索。
俺は紗耶香と、山崎は頼りないから絵里香とペアになって山へ入った。
夜の山は不気味さが増し足場が悪い為、慎重に進んでいく。
そんな中、静香の話が鮮明に蘇る。