オッサンの目はマジだった。
何でそんな大切な話を俺にしたかまだ分からない。
自分は大人だと思ってたが、まだまだ青臭いガキだ。
もっといろんな経験を積んで大人への階段を上らなければならない。
オッサンはきっとそれを教えるためにここへ連れてきたんだろう。
「お前もいつかは分かるさ。俺がここに連れてきた理由が。」
「いつか分かるのかな？」
「分かるさ。お前は意外としっかりしてる。まぁ、まだまだ青いがな。」
キョンさんとオッサンの口から“意外”と言う言葉が出てきたが俺は人からどう見られてるんだろう。
理由が分からない所がきっとガキなんだと思う。

腹を満たした俺達はどうでもいい話で盛り上がってた。
「魚を捕る為にはどうする？」
「どうするって釣るのが手っ取り早いんじゃないか？」
「フンッ。しけた答え出しやがって。草吉ならどうやって捕る？」
「僕なら投げ網を使うね。」
「お前に使えるわけないだろ。どいつもこいつも頭の悪い奴ばかりだ。と、言うわけで７月30日、俺の別荘に連れていってやる。」
キョンさん以外の全員は理解できてなかった。