「いや～、さっきは嘘ついてごめんねぇ～。キミの気を引きたくてさぁ…」
「ハハハッ！笑いが止まらねぇ！」
こんな潰れかけの店で飯を食うヤクザなんていないし、こっちを見てたのも騒がしい俺達を鬱陶しく思ったからだろう。
そうこうしてる間にハルが目を覚ました。
「おっ！気分はどうだ？」
「…悪い。」
俺は店の人に頼んでハルをここに居させる事にした。
そして、俺とコウは12時10分に学校へ向かった。
「大金！大金～！」
金しか頭にないバカの行動はすごかった。
頑丈そうなチェーンをどこで拾ってきたのか分からないツルハシで打ち落とし、ズンズンと奥へ入って行った。
木造校舎の中は木が腐らないために油引きされており、ホラー映画とかで出てきそうな雰囲気をかもし出している。
俺的には学校自体何ともないが、平日にも関わらず、工事作業員の姿がない方が不思議だった。
中途半端のまま放置してる感じが特に気になる。
先々進むコウはある場所で足を止めた。
「ん？どうした？」
「今、足音しなかった？」
俺をビビらそうとしてもそんなもんでビビらない。