放課後、俺と山崎は体育館裏で殴り合った。
暴力で問題が解決しない事など分かってる。
でも、拳を交えて分かることもあるんだ。

翌日、ガーゼや絆創膏で傷をふさいで登校。
通り過ぎる奴らに嫌気がさし、中庭で昼寝をすることにした。

中庭に着くと先客が。
あの伸びた雑草頭は紛れもなく山崎だ。
あいつも俺に気付き、お互い目をそらそうとはしない。
あまり知らない奴だったらまた拳を振るってただろうが、俺と山崎は昨日の喧嘩でお互いの気持ちをぶつけ合い、理解し合ってたから再び争う事はしなかった。
「変な顔…ハハハハッ!」
「お前だって…アハハハッ!お前も見られるのが嫌でバックレてきたんだろ?」
「まぁな。」
山崎の隣に腰をおろし、遠くを眺めた。
青空を優雅に泳ぐ雲の下を風に乗って気持ちよさそうに飛ぶ鳥。
そんな穏やかな時が流れる中、山崎が真剣な口調で話しかけてきた。