腹を満たした後、中庭でぼんやり空を見上げた。
小さな雲が穏やかに流れ、日光がジワジワと体を暖める。
あのアホ共が衝突しなければ心地よく眠れただろうに。
考えれば考えるほど頭にくる。
「クソッタレが。」
ぼそりと呟いた時、頭上から宮元が顔を覗かす。
「何怒ってるの？」
「うっせぇな、ほっとけよ。」
今は誰とも喋りたくない。
「良い情報あるんだけどな～。」
「また今度にしてくれ。今はいろいろ忙しいんだ。」
「ふ～ん、じゃあ、髪の毛が緑色の人が何で怒ってるのか知りたくないんだ。だったら私は…」
立ち去ろうとする宮元の腕を素早くつかんだ。
「知ってるんだな？教えてくれ。」

事情を知った俺は山崎を探しまわった。
あいつをぶん殴るために。

さんざん探したが、何処にもいない。
職員室・教室・食堂・便所など。
「まだ探してない場所は…大橋の所！」
進路指導室は俺と山崎が初めて会った場所だ。