あれからは何事もなく数日が過ぎた。
エスケープを何度も繰り返し、気がつけばクリスマスである12月24日になってた。
キリスト教徒でもないのにプレゼントだのパーティーだのと町全体が浮かれやがってる。
中には本当にイエス・キリストの誕生日を祝ってる奴も居るだろうが、ほとんどの奴が祭り騒ぎに便乗してるだけだ。
俺はこれに反論する奴に聞きたい。
何でキリストの誕生日にサンタがソリに乗ってプレゼントを渡しに来るんだよ。
サンタはキリシタンなのか?
トナカイは空を飛べるほど足が速いのか?ってな。
そう聞かれら最終的に『子供の夢を壊すな!』って逆ギレするんだ。
浮かれてるのはガキだけじゃねぇってんだよ。
それに夢ってのは寝てみるもんなのに。

俺はそんな夢ばかりみて現実を受け入れないガキや気づくまでほっとく大人が嫌いだ。
だから、この日の町は大っ嫌いなんだ。
普段から好きじゃない俺の居場所は一つしかなかった。