「お前、寝ぼけてんじゃねぇのか？」
「寝ぼけてなんかいないっ！」
「んじゃ、ただのアホか。」
「何ぃ！お前、喧嘩売っているのかっ！」
「だってそうだろ。俺達が居るのに孤独だの家族だのって。俺達の縁は学校と共に卒業すんのかよ！違うだろ！卒業したってずっと友達だろ！孤独がどれほど辛いか俺だって知ってるさ。俺はみんなを新しい家族だと思ってる。家で夜を明かせばみんなと会えるってな。そう思えば寂しく思わないから。」
厳しい目つきが丸みをおび、笑顔へ変わった。
「フフ…そうだな。確かに最近はこんな事思い出しもしなかったな。でも、何でこんなに不安になったんだろう。」
「きっと便所が3D仕様で広く感じたからだろ。この家の便所に入ると誰でも不安になるって。」
「そうだったのか…それにしても、市原って結構良い奴だったんだな。ありがとう。」
「俺はお前に喧嘩売っただけだ。んじゃ、戻るか。」
それぞれの部屋へ戻り、朝まで体を休めた。