「そうじゃない。こんな広く見える場所で独りぼっちは嫌なんだ。頼む!前に座っていてくれ!」
こいつが大宇宙便所に入ったら死んでしまうな。
「分かったから行ってこい。」
「ありがとう。」
一言呟いて便所へ入った。
「おい、鍵ぐらいかけとけよ。」
「鍵をかけたら助けを呼んでも入れないじゃないか。」
「呼ばれても入らねぇよ!それより、何で独りぼっちが嫌なんだ?」
「誰にも言わないと誓うか?」
「誓うよ。」
「約束を破ったら地獄の底まで蹴り落としてやるからな。…私には兄貴が三人いた。周りからはスリーハンターと恐れられるほど喧嘩が強く、兄貴達の前に立つ奴は居なかった。ある日、兄貴達の前に一人の男が現れ喧嘩になった。もちろん兄貴達がやられる訳がなく、男はボロボロにされて立ち去った。しかし、その日の夜、兄貴達がたむろしてる所に車が突っ込んだ。次男・三男が即死、長男だけが重傷で近くにあった国立病院に運ばれた…ちょっと出て話すから待ってくれ。」
出てきた絵里香の手は震えてた。