そういう訳で埋蔵金探し兼肝試しをしに向かってる訳だ。
ハルは買ってきたのかパクってきたのか分からない大量のリンゴを抱えて食べながら脅えてる。
「シン、ハル、見えたぞ!あれだ。」
コウの指先には確かに『野間池小学校』と書かれた看板がぶら下がった廃校があった。
もうすぐ昼だっていうのに不気味で重い空気が漂ってる。
「結構…雰囲気出てるなぁ。」
「だろ?埋蔵金!埋蔵金っ!」
上機嫌なバカには感じないみたいだ。
「…出るぞ…マジで出るぞ…。」
青白いハルが心配だ。
「えっ?何ぃ?出るって…え"っ!まさか!ウン…ドフッ!」
ギリギリ間に合った。
全部言わせる必要がないと判断してぶっ飛ばしてやった。
「そんなもん出す訳ねぇだろが。出すなら黙ってこいてるよ。いちいち口に出そうとするな。」
「す…すびばせん…。」
気力と体力を付けるため、近くにあった蕎麦屋に入って飯を食った。
俺達の会話を聞いてた店員のねぇちゃんが話しかけてきた。