「悪いが話は後にしてくれないか?やる事がたくさん残ってるんだ。」
「何するん?ウチが手伝ったるわ。」
黙って言葉を慎重に選んでると、タイミングよく主役であるオッサンがキョンさんと一緒に帰ってきた。
柴神の視線がオッサンに向けられた一瞬の隙をみて人混みの中を突っ走る。
「あっ!真也君ー!」
寂しそうなあいつの声を無視するのは少し心苦しいが、今はこうするしかなかった。

それから無事に誕生日が終わり、解放されるのを首を長くして待つ。
来訪客をみんなで見送り、リビングのソファーで疲れた体を休める。
「あぁ~疲れた。」
「確かに。てか、何で僕達がこんな事しなくちゃならなかったんだよ。」
「今はどうでもいい。風呂入って横になりてぇ。」
柴神から逃げ続けるのに体力を使い、どこに居るのか常に見とかなくちゃならなかったから精神的にも疲れてた。
そんなぐったりしてる俺達にオッサンが話しかける。