山崎と別れ、名簿作りの為に名前を聞いて回った。
人の名前は難しい漢字や変わった読み方をする人が多い。
簡単に思うが、意外と時間がかかる。
「後は…え~っと、あそこの二人で終わりだ。」
一人は小柄で一人は小麦色。
「あの~、すいません。」
「ん?…なっ!市原っ!」
ビックリしたのはこっちだ。
「やっぱりお前らか。ツインバルカン。」
「真也君でもその呼び方は許さへんで。」
「分かった分かった。それより、これに名前と…お前らは名前だけでいいや。」
早く終わらせて絡みを最小限に抑えようとした。
だが、やたらと柴神が絡んでくる。
「真也君も呼ばれたん?」
「いいや。」
「んじゃ、何でおんの?」
「強制連行ってやつだ。」
「紗耶香に?それとも静香ちゃんに?」
「それは聞かなくても分かるだろ。あっ!そこは書かなくていい。それじゃ。」
立ち去ろうとした俺の腕を柴神が素早くとらえた。
「分かるように説明して。」
邪魔くさい展開になってしまった。