月曜日は2時間目から授業に出た。
コウはまだ来てないみたいだ。
昼休みまで残り10分になった時、後ろのドアが数センチ単位で静かに開き始めた。
喋りながら黒板に字を書く人は全くそれに気付かない。
バラしてやろうかと思ったが、黙って見てた方が楽でいい。
それに無駄な行動をするのも邪魔くさいしな。
結果的にコウはチャイムが鳴るまでドアと戦ってた。
「ふぅ~。見つからないで良かったぁ。」
「黙って普通に入ってこいよ。」
「だってさぁ、見つかったら僕の昼休みが取られちゃうじゃん。そしたら借りを返せなくなっちゃうからね。」
こいつは本気で紗耶香に喧嘩を売るつもりらしい。
まぁ、飯食ってつまらない話で時間を削るよりはマシだ。
「んじゃ、早く行こうぜ。」
「まぁまぁ、‘飯を食わねば戦は出来ぬ’ってよく言うじゃん。」
「実際は‘腹が減っては…’だけどな。」
何を考えてるのか分からないが、混む前に腹を膨らましに行った。