無駄な1日が始まった。
鳥は囀(さえず)り、宙を自由気ままに舞う桜の花びら。
そんなものを好む変わり者が多い世の中。
俺に言わせればただの食い物に過ぎない。
鳥なんざ焼いちまえばどれでも食えるし、桜の花びらは虫の腹ん中で消化されてクソとして土にかえる。
花見をする奴のほとんどは知らぬ間に虫のクソを食らっている。
俺は耐えられない。
ちっこい腹で消化しきれないばい菌やうねうねしてる気持ち悪い虫の体内に溜まってた老廃物が針穴ぐらいのケツから押し出され、バカな人間がそれを胃へ運ぶ。
鼻くそにも満たない大きさの汚物で腹を壊す奴もいるだろう。
例え、食えたとしても笹しか食ってないパンダのクソだな。
そっちの方がまだ栄養が残ってそうだし、腹を壊す心配もなさそうだ。
何にせよ、俺は歩き続けなきゃならない。
今日は蜩ヶ丘(ひぐらしがおか)高等学校の入学式だから。
時計の針は10時10分を過ぎたところだ。
式はとっくに始まって今頃、ダラダラとどっかのオッサンの長話をあくびを我慢しながら聞いてるんだろう。
退屈なのは嫌いだ。
だけど、家に帰るよりマシだからゆっくり向かった。