美咲は、うずくまった。
男は振り回す刃物を再び、美咲を傷つけようと振りかざした。

ザク!


男が振りかざした刃物が何かを傷つけた。美咲は…

美咲は傷つけられなかった。
おそる、おそる顔を上げると男は、通りがかった人達が必死に押さえつけていた。

美咲の目の前に人が倒れ込んできた。

「あ…、キャっ!」美咲は倒れ込んだ人を必死に支えようと抱きかかえた。

恐怖で声が震えたが、抱きかかえた人の安否が気になるので、美咲は問いかけた。