お嬢様は藤崎友里。


仕事中の俺は、自分を僕にして、丁寧な言葉遣いと気遣い、そして笑顔を心がけた。


でも、名前を言うタイミングを逃してしまった。


実際、両親から聞いているだろうと思っていたけれど、やっぱり自分から名乗るべきなのだろう。


でも、

「あんたあたしに名乗らないのね。」

と言われた。


知らなかったのかと知り、そしてふっと思いついてしまった。


あっちから聞いてもらおうって。