「溜息吐きすぎ。」 その声にハッと振り向く。 左肘をバルコニーに付けて、海を見ながら頬杖をつく嵐がいた。 そうだったわ。 こいつ隣の部屋じゃないの。 「溜息ばっか吐いてると幸せ逃げるぜ?」 「…余計なお世話よ。」 あたしがそう言うと、嵐は安心したようにフッと笑った。