そんなあたしの表情を見てか、既に予想済みだったのかは知らないけれど、西紀はフッと表情を和らげて離れた。 「返事は帰る日に欲しい。 それまでに頭の中、整理して考えて。」 そう言ってにっこり笑いかけられた。 ─────────── 「…はぁ。」 そのあと、そろそろ帰ろう、と声をかけられて帰ったはずなんだけど、いまいち覚えてない。 先を歩く西紀の後ろを無意識に歩いていた気はする。