君のモノ




地面に向けていた目を
俺に向けたかと思うと、
強気な瞳で驚くことを言った。



「ねえ、お金頂戴よ。
言うこと聞いてあげるから」


「…は?」


思わず出た言葉。
初めは何を言われたのか
すぐに理解出来なかった。



「だって、そういう事したいから
私に声かけたんじゃないの?」


まさか。
俺が声をかけたのは、
ただの興味だ。

何故か気になった、それだけのこと。



けれど、彼女の瞳は揺るがなかった。

強いものを感じる。


一体彼女は、何を思って
そんなことを言うのか、
更に興味が湧いた。