一線を越えたのは、 確かあの日だった…─ 二人で暮らすようになって、 1週間以上経ったある日、 希未が部屋に居るという現実に だいぶ慣れてきていた。 食事や風呂などを済ませ、 テレビをソファーに座って見ていた。 希未は、明るくて かなり話しやすい性格。 そのため話が弾んで テレビやくだらない話で 盛り上がれる。 学校では中心的人物で、 いつもみんなの真ん中で 笑っている姿が 容易に想像できた。 そんなことを考えて、 少し緩む顔。 それと同時に、 ある疑問が頭をよぎる。