恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

チッ、チッ、チッ……


窓の外の景色をぼんやりと眺めはじめてから、意外と時間は経っていると思う。


だけど……、

待てど暮らせど、おにーちゃんは帰ってこない。


チッ、チッ、チッ……


壁の時計とにらめっこしながら、ただひたすら待ち続けても、おにーちゃんはいっこうに帰ってこない。


そのうち待ちくたびれたあたしは“ばたんっ”とおにーちゃんのベッドに前のめりに倒れ込んだ。


「……おにーちゃんの……匂いがする……」


毎晩ココで寝てるんだから、当たり前のことだけど、そこにはむせかえるほどのおにーちゃんの匂いがしていた。



「おにー……ちゃん……」



「なんだ? 呼んだか?」