【短編】366日




「……」

返事がない。

コンコン

「……あ

窓あいてるし。」


ガラっと開けて、彼の部屋に

侵入した。

彼は、まだ8時だというのに

ベッドでスヤスヤ寝ていた。

「かっこいいなぁ。

って、何言ってんの私」


男の子って不思議。

見る見るうちに、どんどん成長

していく。

楓も、まえまで私の方が身長高かった

のに、一年でずーっと高くなって、

私を見下ろすぐらいまで、成長していた。


私は少しおいていかれた気持ちになった。

「楓……、

うちで一緒にご飯たべよ。

お姉ちゃんもいるから…。」

「……美香。」

「そう。

だから一緒に……」


話の途中でいきなり楓が

私の腕を引っ張って、

自分の方へ引き寄せた。

「ちょっと……、楓?」

「……美香、」

完全に私とお姉ちゃんを

間違えてるみたい……。

「楓、いい加減にし……」

「……好きだ。」

そういって彼は私の唇を奪った



嫌だよこんなの……。

お姉ちゃんと間違えられてキス?

冗談じゃない。

私は怒りが込み上げてきた。

捕まれている腕を無理やり

解いて、窓へ走って自分の部屋へ、転がりこんだ。