「美紀、お姉ちゃん駅まで
迎えに行ってあげて?」
家に帰ってきて早々、
母親にそう言われた私。
「うん
わかった。」
「あ、
雨振ってるから傘もって
いきなさいよ。」
「へいへい。」
私は雨のなか、
お姉ちゃんを迎えに行った。
「あっ、美紀ーっ!
こっちこっち!」
ヒラヒラの姫系の服を着た
私と真逆の姉………。
「久しぶり。」
「久しぶりね!
何ヵ月ぶりだっけ?」
「さぁ?
半年ぐらいじゃない?」
「そんなにだっけ?」
あまりかわっていないお姉ちゃん。
お姉ちゃんは、私より3つ上の
今年で二十歳になる。
楓と…、5つ離れている。
「うん。」
「楓は?元気なの?
もう今年で、受験生だっけ」
楓……。
お姉ちゃんがその名前を呼ぶと
心の奥がくるしくなる。
「元気だよ?
私、毎日勉強教えてもらってる」
毎日……
それを強調したかった。
なんでかわからない。
たぶんお姉ちゃんへの嫉妬

