【短編】366日




やっぱり返事はない。

今日1日、生きて来た中で一番

ながい1日だったと思う。

いつもなら授業とか、千晴たちと喋ってるから

授業が5分ぐらいしかたっていないんじゃないのか

ってほど、短く感じる。


「薬飲んどこうかな。」

私は部屋を出て、

リビングへ1階に降りた。


ダイニングテーブルには

薬と冷えぴたが置いてあり、

私は冷えぴたをして薬をのんだ


「―――暇だな。」

あれから楓からのメールがこない。

心配ぐらい、してくれたっていいじゃんか

楓って、よくわかんないや。

私だったらうざいってほど、

メール送り続けるよ?

たとえ返事なんて返ってこなくても

♪〜♪〜♪〜

誰だろこんな忙しいときに

『はい。』

『風邪って本間やってんや。』

電話の向こうから聞こえてくる

聞き覚えのある声。

『楓……?』

嘘……

楓から電話なんて生まれて初めて

これなら毎日風邪になってもいいかも

と馬鹿なことを考えてる私って

そうとう痛い。

『他に誰がおんねん。

おまえが知っとる関西弁喋る男』

楓だけだよ?

『どうかしたの?

急に電話なんて。』

今日はなんか私素直かも。

風邪のせいで頭がボーってしてるからかな