【短編】366日



「ごめん。」


「まぁええけど。

そうや、明日も帰り帰れへんわ」

「……そう。」

明日もなんだ。

「今日誰とかえったん?」

「直哉と二人で」


何でこんな嘘いっちゃうんだろ?

私が素直じゃないだけ?

楓の前だと自分がわからない。

勝手に口が動いている。

「ふーん。

付き合ってるん?」

「付き合ってない。

ただのトモダチ。」

「あ、わかった。

その直哉ってやつ、

前、お前に告ったやつやろ?」


楓、こういうときの勘だけは

すごくするどい。


「図星か。」

私って、図星のとき顔に出やすい

って前誰かに言われた。

「お前分かりやす。

直哉ってやつ、良い奴やんけ。

付き合ったらええやんか。」


楓、私前に好きな人いるって

いったよね?

なにそれ。

楓の言葉に私は悲しくなった。

だって別に男といたって、

いいって事なんでしょ?楓。

いつまでたっても楓は私に

振り向いてくれないんだね…。

悲しいよ、楓が好きなのに。

「楓、何にもわかってないね。」

ちょっとは気付いてよ楓。

泣きそうな目を必死で堪えて

私は窓とカーテンを閉めた。