――佐々木直哉
メアドを教えてからというもの
こいつからメールが毎日来た。
【今日、暑かったね〜】
【今何してるの〜?】
用件は超どうでもいいことばっか。
そんなくだらないことで受信料
はこっちが払ってんのに、
どうしてくれるのよ佐々木直哉。
でもあんたのメールでため息は
引っ込んでいった。
【俺、今日電車のドアに2回も
はさまれたっ!】
「ぷっ。」
時々おもしろい話もしてくれて
最近悩んでたことも、こいつのおかげで
少しずつだけど、消えていった。
「美紀、電子辞書かして?」
「はい。」
私が行かない代わりに楓は私の部屋に
毎日勉強を教えに来た。
♪〜♪〜♪〜
【今、美紀んちの近くのコンビニ
来てんだけど、美紀これない?】
今日もあいつからのメール。
「どしたん?」
「ううん、友達。
ちょっと行ってくるね。」
「いってら。」
上着を着て、佐々木直哉に返事して、
私は部屋を出た。
――5分後
「直哉」
「お、美紀。」
直哉は上下スエットで、
コンビニ前で座っていた。
「どうしたの?急に。」
「俺な、美紀に言いたいことあって。」

