「美紀、今日も楓くんに
ここまで送ってもらったの?」
「そ。」
教室に行くと友達の千晴が
話し掛けてきた。
今では親友みたいなもん。
「いいなー、いいなー。
楓くん中3には見えないし、
しかもかっこいいし、」
「なにがいいたいの?」
「やきもち、嘘だよ。
楓くんは美紀のだもんね」
なによそれ……。
まぁ、取られたくはないけど
「そうそう。」
楓は私と登校して、
クラスの子になんか言われてないのかな?
いわれてたら、何ていってるのかな?
近所のただのお姉さん?
だったらすごく悲しいな。
「はぁ……。」
「どうした?
橋本この頃ため息ばっかだな」
隣の席の佐々木くんが話し掛けてきた
「そんなことない」
今は話し掛けてほしくない気分
この頃、悩んでばっかり。
あの事件から。
「俺、直哉っていうんだ。
良かったらアド交換しない?」
「は?」
「はい!赤外線。」
勝手に取られた私の携帯
「ちょ、勝手にやめてよ」
何こいつ。超むかつく。
人が悩んでそっとしてほしいときに。
「じゃあメールしてね。」

