私は大きく空気を吸い込み静かにそれを吐き出すと、

「私…ヤナギさんの事が好きです。
仕事が手に付かないぐらい、好きなんです。」

さすがにヤナギさんの目を見つめて言う事は出来ず、ぎゅっと強く目を瞑ったまま言った。

「上出来。」

フッとヤナギさんが笑ったのが聞こえ、私はヤナギさんを見上げた。

ヤナギさんの目は真っ直ぐに私を見ていて、その目に引き込まれそうになる。

ぼんやりとヤナギさんの目を見つめていると、ヤナギさんは小さく息を吸い「俺も…」と吐き出す様に言った。

「ずっと好きだった。ハラダさんが入社した時から。」

その言葉が嬉しすぎて、涙も流れない。

「ほ、本当ですか?」

「そんな事嘘吐いてどうする?」

「・・・・・」

「気付くかと思ってたんだけどな。」

言いながらヤナギさんの顔が近づいてきたから、私はそっと目を閉じた。