Be impatient

背中にひんやりとした感触を感じるとその後すぐに、壁の向こう側から話し声が聞こえた。

「さすがにもう帰ってますよ~。」

声の主はシマダくん。

どうやらもう一人いるようで、二人分の足音が近づいたかと思うと直ぐに遠ざかって行く。

私は暗闇に目が慣れてくると、周りをこっそり見回した。

真っ暗な会議室の中に私たちはいた。

丁度立ち止まっていた所の側にあった会議室で、ヤナギさんに引っ張り込まれたと気付く。

親睦会はもう終わったのだろうか。

シマダくんがどうして戻って来たのかは分からなかったが、二人の足音がまた近づいてきた。

「だから言ったじゃないですか~。」

呆れた様に言ったシマダくんに、もう一人の人物が答えた。

「今日の親睦会、ハラダさんも出席だって聞いたから参加したのに。残業で欠席だなんて…」

自分の名前が出てきたのにも驚いたが、その声の主にも驚いた。

もう一人はワタナベさんだった。