Ｂe ｉｍｐａｔｉｅｎｔ

そんな事自分でもわかっているけど、それを実行に移せる人は一体どれぐらいいるのだろう。

私はもちろん、無理。

口を噤んでしまった私に「好きな人って社内の人間だろ？」そんな事までバレてしまってるのかと思わせる台詞をヤナギさんはサラっと口にする。

「…ま、まあ。そうですけど。」

「ふ～ん。」

「・・・・・」

「同じ部署に好きなヤツがいたら、仕事に身が入らないのも仕方ないか…」

「へ？」

「同じ部署のヤツでしょ？好きな人って。」

「ええっ？」

半分パニックな私とは正反対に「ハラダさん見てたらそれぐらい分かるよ。」落ち着いた口調でヤナギさんは言う。

そこまでバレバレなの？

もうヤナギさんの目なんて全く見る事が出来ず、私はキョロキョロと落ち着き無くその目を動かすしか出来なかった。