Be impatient

給湯室で一人ぼんやりとコーヒーを啜り、ふーっと大きく息を吐き出した。

あと何時間頑張れば仕事が終るだろうかって事よりも、ヤナギさんの事が気になる。

ヤナギさんの事が好きだと自覚した今、その気持ちは大きくなるばかりで、私はこの気持ちをどうすれば良いのか分からなかった。

そんな不安定な心を胸に押し込める様に、最後の一口をゴクリと喉に流し込む。

事務所に戻ってみると、まだ殆どの人が残っていた。

もちろんその中にはヤナギさんも含まれ、ヤナギさんの後姿を見るとそれだけで体がカッと熱くなる。

「まだ、大分掛かりそう?」

席に戻った私はヤナギさんに聞かれて「あ、はい。もう少しかかりそうです。」顔が赤くなりませんように、そう祈りながら答えた。

「無理するなよ。それ、明日でも大丈夫だから。」

そんな優しい言葉に自然と顔が緩む。

隣の席の特権だと思う。

隣で仕事をして、声を掛けてもらって。