「もうあんなんはこりごりや…」
はあ、と深いため息をして、ぶらんこをこぐ。
只今3時。まだ昼ご飯も食べてない。
仕方なく公園に来たところだ。
「緊張したから余計ハラ減ったー」
「橘が立入禁止のとこ入ったんが悪いんやんか」
「ちゃんと出れたデショ」
もう…
「でも、おもろかった」
うん。
橘にしては上出来ってかんじ?
すると橘は目を輝かせて。
「ホンマに?なんか及川もう俺と絡むん嫌なったかなあって正直思っとってん」
「…へえ」
「何?」
「いや、橘も落ち込むことあるねんなって(笑)」
すると橘は少しほっぺたをふくらませて言う。
「あるに決まってます!こないだもイロイロとあったもん」
イロイロ…
それって、
「それって、ミヒロちゃんのこと…?」
自然と口に出していた。
あたしなら、橘をしあわせにできるのに。
そんな想いと共に。



