「は、はあ。泣き疲れた」
「ほんまやな。じゃあメシでも食べに行くか?」
「うんそうしよ」
こうしてあたしらは映画館近くのショッピングモールへ来た。
けど…
「人多っ!」
「今日なんかあるん?!」
「うーん…あ!及川見ろや!あっちになんか大行列!!!」
橘の指さす方向には、セール品を取り合うおばちゃんたちが。
「うおっ!おっちゃんらばり可哀相やん(笑)。荷物持ちなんて」
するとあたしたちの後ろから声が。
「ああ!!!あったであった!!!こっちやこっち!セールしてるわ!」
奇抜なカッコしたパンチパーマの軽く20人はいるおばちゃん集団が、
あたしらを押し倒す勢いで駆けてきた。
「わあ…ッて。 襲われる!!!」
「逃げな及川!!!」
もんのすごい勢いのおばちゃんと、
泣きながら必死で逃げるあたしたち。
「及川っこっちや!」
橘の声がするほうへ、あたしは曲がった。
ドタドタとおばちゃん集団が駆けて行く。
「ふあー…。助かった」



