◆コンビニ恋愛◆





「は、はあ。泣き疲れた」


「ほんまやな。じゃあメシでも食べに行くか?」


「うんそうしよ」






こうしてあたしらは映画館近くのショッピングモールへ来た。


けど…










「人多っ!」


「今日なんかあるん?!」



「うーん…あ!及川見ろや!あっちになんか大行列!!!」


橘の指さす方向には、セール品を取り合うおばちゃんたちが。



「うおっ!おっちゃんらばり可哀相やん(笑)。荷物持ちなんて」




するとあたしたちの後ろから声が。




「ああ!!!あったであった!!!こっちやこっち!セールしてるわ!」



奇抜なカッコしたパンチパーマの軽く20人はいるおばちゃん集団が、
あたしらを押し倒す勢いで駆けてきた。




「わあ…ッて。 襲われる!!!」


「逃げな及川!!!」




もんのすごい勢いのおばちゃんと、

泣きながら必死で逃げるあたしたち。




「及川っこっちや!」


橘の声がするほうへ、あたしは曲がった。






ドタドタとおばちゃん集団が駆けて行く。





「ふあー…。助かった」