◆コンビニ恋愛◆





たまたまポーチに入ってたウォータープルーフのマスカラをあたしはトイレで付け直して、またシアターへと戻った。



「ちょ、及川早く!!!もうすぐ舞台挨拶終わるで!!!」


手招きをしながら橘は小さな声であたしに言った。




「ちょっとさあー、もっと早く言ってや。泣ける映画なんコレ」


「―聞く限り。」


「嘘ー。あたしが涙もろいん知っててやな山本さんっ!!!」

あたしは握りこぶしを作って言った。



「別にそういう訳ちゃうって。ていうかお前泣き過ぎちゃう?映画始まったら大変やし、うわどうしよ」


「はっ?!そんなん言っとる橘のほうが泣いてたりして〜」

冗談であたしが言うと、橘は大きな声で叫びに近い声で。



「うっさい!!」







すると一瞬時が止まった。

周りのお客さんはあたし達をガン見。







「「スイマセン…」」