菜々子が話し終わって 重い沈黙が続いていた…。 菜々子をチラっと見ると、 とても深刻そうな表情。 『菜々子…ありがとう。』 『…うん』 『っ…ありが…ありがとう』 『菜々…』 涙が ボロボロと… 頬を伝う…。 菜々子は 何も言わず、 抱きしめて…くれた。 あの時、病室の扉を開けなくて、よかった。 菜々子が止めてくれて… 強引に連れ出してくれて… 私は 救われたよ。 ずっと そばにいると… 信じていた 私… ヒロは 私に何も言わず… 東京へと 行ってしまった。