「あ、僕、1年A組の藤城竜之介って言うっすんけどね
入学式で桃香先輩を見て一目惚れしちゃったんすよぉ
だからエッチしよ?
今すぐ、ホテルに行きましょう!
めっちゃいいとこ、探してあるんすよぉ」

「アホかっ」

克波君が持っていた書類をくるくるっと丸めると、藤城君の頭を叩いた

ぽかっと良い音がした

「いてっ」

藤城君が頭をこする

藤城君は立ち上がると、にっこり笑い、あたしに抱きつこうと飛びかかってきた

え?

まだ諦めてないの?

「ええっ?」

あたしは二歩ほどさがると、長テーブルの角にお尻をぶつけた

いたいよ

あたしは、痛みを訴えるお尻に手をあてる

うわっ、どうしよう!

逃げられないよ

「うぜぇんだよ」

克波君が長い足を持ち上げて、藤城君の脇腹に蹴りを入れた

「先輩の蹴り、最高っす」

藤城君は蹴られた脇腹をさすりなながら、体勢を整えた

藤城君は笑顔を崩していない

え?

この人って、M?

笑顔で立つと、両手を広げてまた抱きつこうする

「だからうぜぇんだよ」

克波君がまた蹴りを入れた